常夜の常識

2025.12.14-12.20


12.14(日)

ここ数週間、娘が友達と寄り道したり、下校後に待ち合わせをして遊んでいる理由は、自宅裏の野良猫なのだが、先週の木曜日を最後に、いつもブラブラしている空き地からいなくなってしまった。わたしとしても(娘が可愛がる前から)、常にそこにいた猫だったので、どうしたものかと心配。ところが、当の娘は

「おばあちゃんだったからね、死んじゃったんじゃないかな」

と、真顔でドライに言い放つものだから、いや待って、まだいなくなって3日くらいだし、そのうち、ひょっと現れるはずだよ、なんて、口ごもってしまう。

「生き物は死ぬでしょ、いつかは」

との由、述べられる娘。

メメント・モリを理解しているのか。この歳で。

12.15(月)

猫は今朝もいない。

午前中に詩集の打ち合わせを行い、時間が一瞬で溶ける。夕方からラジオの収録、年内ラスト。そして夜は月曜日営業の無駄であった。

無駄のようなコンセプト飲み屋は、忘年会や繁忙期が重なる十二月、全然人が飲みに来ないので、なかば「そういうもの」として諦めているのだけれど、月曜日は大人の軽音部部室として開放している側面があるので、いつものみんなが集って、さらに新規も集まり、師走初の満員であった。とても楽しかった。報われた。

12.16(火)

まる一日OFF。6日間くらいぶっ通しで夜外出があったので、久しぶりに家で風呂にゆっくり浸かる、夕食後。

娘の漢字テスト(書き取り)について、非常に微妙なライン、というか、ぜんぜん読めるのに、▲や☓を喰らっているということに憤慨する、妻。「楷書体」をきちんと覚えるという「学習目標」だろうし、仕方ない部分があるにせよ、わたしも確認したところ、「このハネとかハライとかって、鉛筆で表現するのは限界があるのでは?毛筆ならまだしも、一年生の筆圧ではなおさら。。」と思ってしまうレヴェルで、ジャッジが厳しい。

当の本人は「きちんとお手本通り書かないと、先生にバツもらうので」ということで、宿題においても、何回も書き直しているが、父母としては「そんなことより大事なことがたくさんあるはず」と教えていきたいところ。モンペと呼ばれたくはないところ。

12.17(水)

まる一日OFF。久しぶりな気がする。平日二連休。

うだうだレコード聴きながら、絵を描いたり、詩をなおしたりしながら過ごしていると、午後。チャイムが鳴り、娘が帰宅。インターホンでは気が付かなかったが、部屋に近づくにつれて、我慢できなくなってきたのであろう、ドアの外からもはっきりと「泣き声」が聞こえてきて、何事かと思って出迎えると、額と鼻の頭から流血している。

「ごろんじゃったあああああ」

絶叫しながら見せてくる両掌は、ベロっと擦りむけており、左手は肉が痛々しく露出している。

妻と一緒に処置を済ませ、いろいろ慰めるが一向に効果がなく(パパの慰めでは)、ママに抱きかかえられて微動だにしない。泣きつづけて。

ドラッグストアとスーパーまで、大きめの防水絆創膏とハーゲンダッツアイスクリームを買いに行き、帰宅。少し元気になっていた。

12.18(木)

誕生日プレゼント兼クリスマスプレゼントとして、ちょっと早めに電子ピアノが届いたことをきっかけに、娘の部屋を家族三人で大改造する。前日の怪我も驚異的な回復力で治癒中であり、とても元気な娘。実際のところ、今年の4月前に、小学校入学のタイミングで部屋をモデルチェンジする予定だったのが、ズルズルきてしまって、この時期。ピアノの高さに合わせて、本棚やぬいぐるみの群れの位置など、もろもろを上に上げたおかげで、目線がグッと上がり、彼女は1年生にしては上背のあるほうなので、ようやく身体のサイズにあった子ども部屋となった。

「お姉さんの部屋っぽくて、ちょっとうちの部屋って感じがしないなああ」

などとのたまっているが、すぐに慣れるよ。

12.19(金)

夜は無駄。先週に引き続き、輪をかけて、人がいない。

12.20(土)

娘の保育園時代の親友が家に遊びに来る。

妻は美容室にでかけるとのことだったので、ふたりで遊んでいたら?というと、「え、そのつもりだけど?」とのこと。わたしも、フラフラ昼飯を食いに出かけたり、シセロシスコと珈琲飲みに行ったりして過ごす。

5時間ぶっ通しで遊びまくって、お別れ。同じ街だけど、違う学校に親友がいるというのも、とてもいいものだと思う。友だちも、コミュニティも、分散しているからこそ、価値を発揮する。また春休みくらいに遊べるといいですね。

BRAKE ON THROUGH TO THE OTHERSIDE.

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眠らない教皇

2025.12.7-12.13 12.7(日) 宮小路バル、無駄歌謡祭、と大きめのイベントをすべて終えて、さぞや疲労コンバインだと思っていたのに、わりと心身が元気。家族でA珈琲店にてブランチをとり、さあ、今日はどうしましょうね。ということに。 このHP/MPならいけるのでは?ということで、シセロシスコの個展最終日に赴くため、東京、小伝馬町へ。 途中、1年分の生活費によって溜まったクレジットカードポイントを消費するため、日本橋の三越という、百貨店中の百貨店。もはや絶滅危惧種と言っても過言ではない、百貨店という建物で、娘と迷子ごっこを楽しみながら、食品売り場がある地下で、高い肉などを郵送してもらう段取り。肉屋では明らかな東京の中央区のマダムが「ぁたくし」という一人称を使って、わたしたちよりも高価な、はるかに高価な、サシの入った肉を注文している。すげえ量。 個展に手土産でも、ということで、お菓子売り場をウロウロしていると、かわいいマカロンが売られていて、色とりどり。娘とこれはいいね、なんて言って、手土産用に買おうと思ったら、14個入り7000円。嘘だろ。向かいには十勝おはぎのサザ

虹が溶けていく

2025.11.30-12.6 11.30(日) 妻が昼から推しのヴィジュアル系バンドKのライブに行くので、午後から娘とダラダラ過ごす。2日間の「宮小路バル」をやりきって、無事に大盛況で終わって、その安堵感もあるのだが、疲れてはいるけれど、ずっと眠るというわけでもなく、というのも、明日は無駄で落語会、週末は年に一度の「無駄歌謡祭」と、あと残り2イベントを残しており、休むに休めないというか、なんか、そういうので、ダラダラしつつ、娘とドラえもんのカードゲームなどをやる。日本語がある程度読めるようになっており、ルールブックを読み、初体験のわたしに対してレクチャーをしながら、ゲームを進める。負ける。 よる。静岡方面から、バチバチにアーティスティックなお二方をお迎えして、シセロシスコとわたしと娘と一緒にTで会食。途中からライブ帰りの妻も合流して、鴨肉を食べる。 12.1(月) ひる。ステージ上に高座を作り、落語会の準備。 よる。今年二回目の落語会は、前回同様、超少数で贅沢な距離感でライブの落語が聞けるスタイル。十二月の初っ端から、

地雷原のモグラ

2025.11.23-11.29 11.23(日) 昨日から北海道北見市に家族で滞在。2日目。 昼。念願だった「回転寿司のトリトン 本店」へ行き、6歳女児も積極参戦して3人で32皿くらいを食べる。 散々っぱら、魚を食べた後、友人の車で40分かけて「山の上の水族館」という、全国に1つしかない淡水魚オンリーの水族館へ。わたしが小さい頃から、この、道の駅的な場所はあったけれど、水族館はなかったので、娘を散策させ、楽しんでいた。幻の魚「イトウ」や「ティラピア」の巨大さ。大きい魚は原始を感じさせる。 当時、水族館は存在しなかったけれど、ここは、小さい頃に両親によく連れてきてもらった場所で、妹も一緒に遊んだ記憶が蘇る。ノスタルジア。象徴的な建物をバックに娘の写真を撮り、当時の記憶を共有する唯一の存在である妹に、思わず送る。人生は、同じことのようで違うことの繰り返し。違うことのようで同じことの繰り返し。 11.24(月) 朝早くの飛行機に乗り、

薬漬けのトンビ

2025.11.9-11.15 11.9(日) 妻。夏前から推していた若手俳優のサイン会?手渡し会?に行く。 午前中にTOKYOへ出立して、昼前後にイベントを終え、その後、横浜でバンギャ仲間と飯を食い、夜は宮小路へ帰ってきて、こちらにいるバンギャ仲間と飲むという、1日3アポのスケジュール。遊び散らかして、満足気に帰ってきた。 わたしと娘は、つかず離れずというか、なんかそれぞれの部屋で、絵とか描いたりしながら、Uにて晩ごはんを食べたりして、仲良く暮らす。 11.10(月) 遊び疲れて、くたばる妻。 昨日ようやく会えた、夏から思い続けていた念願の男は、非常に美しかったが、毒気がなく、物足りなかったとのこと。「やはり私は遺伝子レベルでバンギャ。」との弁を述べながら、疲れ果てている。 先週購入したシセロシスコの絵が届いたので、作者と一緒に額縁屋で額縁を選び、作者自らの手によって、わたしのお店に飾ってもらう。ゴールデンなマリアージュ。無駄無駄しさが増しました。 11.11(火) 昨日に引き続き、シセロシスコとコーヒーを飲みに行く。